目の前の魚と向き合うことで、多くの人と向き合える

目利き力を高めるためには、とにかくたくさんの魚を触ることが大切。

自分の知識や経験が増えるほど、周りから頼られる機会も増えていくのを感じます。

競りで落とした魚を「これ食べろ!」と分けてくれる仲卸業者さんがいたり、普段は見かけない高級魚を目にするなど、好奇心への刺激が尽きない環境です。

大阪府立西野田工業高等学校2017年入社

市場営業本部 営業業務部物流課

大倉 晴幸オオクラ ハルユキ

魚初心者でも大丈夫。向き合う中で知識も技術も身に付いていく

うおいちでは、学生の時にアルバイトから働きはじめました。きっかけは単純で、他より時給が高かったから。「稼げるぞ」がモチベーションのほとんどでしたから、最初はキツかったですね。朝も早いし、魚の扱い方も分からないことだらけだし、忙しいので周りの先輩たちにも頼りづらい。質問しても丁寧に教えてくれるというよりは、コツだけアドバイスしてもらって「とにかく見て、触って覚えろ」的な。THE男の世界な感じでしたが、いろんな魚のことを覚えて知識が増えていくのは楽しいなと実感がありました。

現在は入社して7年目になりますが、物流課一筋です。意外だったのは、生きた魚を触る機会が多いこと。水揚げされた魚も生きたままのものが多いですし、生簀の魚も扱います。魚種ごとに担当者がつくのも特徴です。現在は生簀のヒラメを担当していますが、締めて箱詰め作業まで一人でこなしています。魚を締めるなんて未体験でしたが、働きはじめてから教えてもらえるので安心してください。あと、市場は魚臭いと思われるかもしれませんが、新鮮な魚ばかりなのであまり臭いません。安心していただきたいポイントです。

自分のスキルで、魚の魅力を変えられる。そんな大きな満足感が得られます

自分が身につけたスキルでお客さまに喜んでもらえる。これが鮮魚部で働く大きな魅力ですね。いい魚を見極める目利き力が上がってくると、自分を信頼してくれる仲卸業者さんも増えてきていろいろと相談を受けることもあります。以前、天然物の魚を求める業者さんがいらっしゃったのですが、どうしてもその日に水揚げがありませんでした。そこで、生簀から代わりの魚を選んで、この魚がどうして良い魚なのかまでしっかりとお伝えしました。後日、とても喜んでいただけた様子で「また頼むわ!」と言ってもらえたことは大きな自信になりましたね。

まだまだ目利きを極めるために、もっと魚に真剣に向き合って触っていきたいなと感じています。そして身につけた知識や技術は、後輩にどんどん伝えていきたい。先輩や周りの業者さんは荒っぽい面もありますが、みんな思いやりが深く親みたいな感じです。昔ながらの師弟関係のようないい部分はありますが、教え方は体系的にできる部分もあると思っています。市場をもっと働きやすくするために、見て学べ時代を変えていきたい。後輩から頼ってもらえる先輩を目指して、もっともっと自分を高めていきたいです。