「幻」を冠せられる魚のひとつで、市場への入荷も少なく、需要期の冬場には市場の卸値でも10,000円/kgを越すこともある高級魚。ハタ科マハタ属の魚で、関西ではの呼び名「クエ」が標準和名だが、九州では「アラ」、関東では「モロコ」と呼ばれる。
　暖海性で南日本、朝鮮半島南部から東シナ海に分布。主に外洋に面した岩礁地帯に棲息する。主産地は長崎、鹿児島などで、５～１０ｋｇ程度が多いが、時には１ｍをゆうに越し20kg以上の大型も入る。
　身は薄いピンクがかった透明感のある白身で、旨みが強く刺身や鍋にむく。大型で繊維質も確りとしているため、活締め物を刺身にしてもプリプリとして噛み切れない。通常は冷蔵庫で１～２日寝かし、身を成熟させてから調理する。和歌山のクエ鍋、福岡のアラ鍋は有名。