大きな目と赤色が特徴で、値段の高さでは市場でも５本の指に入る高級魚。煮ても焼いても刺身にしても脂がのっていて美味しい。名前に「ムツ」とつくが、クロムツやムツ（共にムツ科）とは異なり、ホタルジャコ科の魚で、本家のムツとはまったく別種です。口を開けると奥の方が黒いことから、日本海側各地ではノドグロ（喉黒）とも呼ばれる。
分布域は北海道以南の日本各地から東シナ海で、主に100~200ｍ位の大陸棚やその周辺部に生息している。特に多いのは山陰から九州にかけての日本海側。産卵期は夏から秋にかけて。旬は夏とも秋から冬ともいわれるが、年中美味しい。市場への入荷も通年あって、いつでも値段は高い。入荷先の主な産地は長崎や山陰～北陸の各地で、太平洋側では徳島からの入荷もあるし、韓国からの輸入も多い。

　脂があって身自体が美味しいので、お勧めの料理はシンプルな塩焼き。もちろん甘辛く煮付けてもうまい。刺身はさっと炙って焼き霜造りにするとよい。アラは潮汁や煮付けに。